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株式会社リンクス・ホリ

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ブログ

ニューヨークでの茶会

平成27年1月1日、
一通のEメールがニューヨークから私宛に届きました。
メールの主は、NYにあるギャラリーの日本人オーナーからでした。

「3月にニューヨークのメトロポリタン美術館を中心に各ギャラリーで開催される、
 東洋美術の祭典アジア・ウィークというイベントで、茶会をやりたいのですが...。
 アメリカ人でも、気軽に参加できるように椅子とテーブル、立礼卓を使用して、
 お客様をもてなすことはできますか?」

私は仕事の中で、前年から、「現代の生活スタイルと伝統ありかた」を
テーマとした設計・デザインに取り組んでおり、それを茶の湯という切り口から
"現代の生活スタイルの中での茶の湯"が出来ないだろうかと
いろいろと思考を巡らせておりました。

現代の生活の中に茶を入れる。それを私は、"茶ノ湯Style"という形で定義しました。
フローリングを中心とした現代の生活空間に、テーブルで出来る茶を再現するということ。
つまり流儀にとらわれない、いつでも、誰もが、茶を楽しむ喫茶という考え方。
それには、生活空間に溶け込むようなデザインの立礼卓の存在が必要で、
それをベースとして日常の中で喫茶を実践する。立礼卓のデザインをしながら試行錯誤を繰り返しておりました。
多くの克服すべき課題もあったのですが、何とか試作品も完了し、多くの方の意見をお聞ききしたいと
思っていたところでした。

そして、そんな矢先のEメール。 ニューヨークで茶会...、突然の話で、しかも3月。時間が無い...
ずいぶんと迷いましたが、今回の茶会が終了しても、使用した立礼卓をニューヨークマンハッタンの
チェルシー地区にある、大西ギャラリー内に、釜などの茶道具や伝統工芸の作品と共に展示したいとの
要望がありましたので、次につながる話と思い、OKの返事を致しました。

今回の依頼の主である大西ななさんの大西ギャラリーは、マンハッタン島チェルシー地区にあり、
この地区の数あるギャラリーの中でも陶芸、金工、鋳金、書など多岐に渡る日本作家の美術品を紹介しており、
多くの人間国宝の作家作品も多数展示しております。
今回はニューヨーク・アジアウィークということで、マンハッタン5番街に面したセントラルパークの
東端に位置する世界最大級の美術館、メトロポリタン美術館近くのギャラリーを展示会場として、
そしてその2階を茶会会場として立礼の席を設営し、お客様をおもてなししました。

 

茶会会場近くのメトロポリタン美術館

 

今回の茶会で使用した立礼

茶会は、アジア・ウィーク開催期間(3月13日~21日)の内4日間行います。
席はギャラリーの2階の一角にスペースを作るので、お客様の人数は10名程で、1日4回行う計画です。
少人数の為、お客様との距離も近く密なコミュニケーションが生まれます。

そして、茶会。お客様の中には、日本人の方もいらっしゃってお茶をやっている方も来場されました。
しかしそこは、世界の大都市ニューヨークです。お客様の中には、なんと地元ニューヨーカーでありながら、
ご自宅の屋上に茶室と露地を持っている方も来場されました。多種多様がぴったりとはまります。
その懐の深さに只々驚くばかりでした。そしてその方とは、後日、日本で再開するという後日談があるのですが...。

Sugar&Cokeの国アメリカで、抹茶のビターテイストがどこまで受け入れられるのか。
飲んで頂けるのだろうか?正直、自信がありませんでしたし、不安が専攻していました。
しかし私に出来ることは、普段どおりの茶をやるだけなのです。

 

結果、お客様は私の点前をしっかりとご覧になり、何かを感じながら、ゆったりとした時間と共に、
抹茶を楽しんでおられるようでした。茶はほとんど残すことなく飲み、点前や所作そして茶道具に関しての質問も
たくさん出て、多いに盛り上がり、コミュニケーションのあるとても良い茶会が出来たと思っております。
もちろん今回の茶会でお手伝い頂いたNY在住の日本人スタッフの力無くしては、茶会の成功はありませんでした。

人の思いは国境を越え伝わっていくのだなあと感じ、
ニューヨークで茶会を開いて良かったと、あらためて感じた瞬間でした。

一昨年のインドネシアジャカルタに続き、海外での茶会は2回目ですが、それぞれ場所は違っても、
一碗に込めたその思いは、人種の壁を容易に超えていきました。

 

事前準備も十分に出来ない中、ほぼ、ぶっつけ本番の今回のニューヨークでの茶会でしたが、
終わってみれば、大変好評で、ギャラリーオーナーにも、喜んで頂き、「また、次の機会によろしく!」とのお話。

多くの出会い、多くの経験そして失敗。多くを学んだ今回のニューヨークでの茶会でした。
最後に、今回の茶会で、出発までの準備と各種手配など、様々な場面で協力いただきました皆様に
この場をお借りして御礼を申し上げたいと思います。

~ 茶道具組 ~
立礼卓 Hori・design
肩衝筒釜  堀 政晴 作
水指 李朝白磁壷
茶入 蔦 金輪寺
茶杓 煤竹
蓋置 萩焼 七宝透 田原陶兵衛
茶碗 金彩 他  今 千春 作
建水 曲げ
和光 小山園
菓子 NY源吉兆庵製

~新しい茶会のかたち~

1月24日(土)大坂市中央区伏見町にあるギャラリーで、茶会を開催しました。

人数は、50人で各席10名程
こじんまりとしたアットホームな"もてなし"でした。
今回は、洋間のギャラリーなので、椅子で座って出来る立礼卓を使用しての茶会です。

現代のライフスタイルにある"茶会"というテーマで、茶会名は「座・茶会」

亭主は2名で、それぞれが、各々の形で、客をもてなしました。
まずは、私が立礼卓での点前を披露し薄茶をたて、
長岡の菓子と共に抹茶をお出しします。
抹茶は、宇治の生産農家さんから直接取り寄せした挽きたての抹茶
すがすがしい味わいのある、オーガニックな抹茶です。

しばし茶を楽しんだあとに中立ち、席替え
テーブルを出して席を用意

そして、再度席に入って頂き、
お客様はテーブルを囲むようにして座ります。

そして、もう一人の亭主が登場し、立礼卓に着座。
珈琲豆(エチオピア産)をすり鉢で挽き始めます。
そして、珈琲のいい香りが茶席の中に立ち込めて、ゆっくりと時間が経過していきます。
釜の湯が沸き、珈琲豆挽きも終わりにさしかかって豆が粉状に細かく変わっていきます。
紅茶用のティーメーカーを利用し、珈琲をいれます。
ティーメーカーに湯を注ぎ3分ほど

カップをお客様のテーブルに置き、ゆっくり味わっていただきます。
お客様がゆったりとした時間を過ごされます...。

今回は、ギャラリーという空間で、椅子式の立礼卓を使用しての、新しい茶会のあり方を模索しました。
お客様、皆様にとても喜んで頂き、ある種の手ごたえを感じることができました。

enjoy tea anywhere at anytime

いつでも、どこでも茶を楽しむことが出来る場を作っていきたいと思います。

 

茶会会場正面

 

茶会のご案内

 

立礼卓を使い、今日の茶会が始まります

 

床の間のしつらえ
唐三彩の香炉を中心に置き、
エジプトの風景水彩画を飾る

 

花は「侘び助」

 

水屋の様子

 

茶釜は小ぶりな筒型

 

茶会の様子

 

薄茶の点前

 

薄茶席の様子

 

珈琲席でくつろぐお客様

 

珈琲点前(本邦初公開)

 

珈琲点前その2

 

お疲れ様でした!



コラボさいたま2014に出展しました

11月7日(金)~9日(土)3日間、さいたまスーパーアリーナにて、コラボさいたま2014が開催されました。
弊社も出展しPR活動を展開しました。
茶室事例紹介のパネルや茶室の模型などを展示し、ご来場のお客様に茶室の説明をし、
特に最近多くなっている、マンションでの茶室リフォーム事例について紹介させて頂きました。

そして、今回の展示の目玉は、"茶ノ湯Style"ブランドの新規開発商品の展示です。
テーブルで抹茶を楽しむことができる、「新・立礼卓」を展示しました。
「茶室がなくても...正座ができなくても...!
             気軽に抹茶を楽しむことができる」
というコンセプトで開発した商品です。

お茶というと、堅苦しくて辛いもの...
から、もっとカジュアルに抹茶の文化を広く多くの皆様に楽しんでいただければということを願っております。

 

コラボさいたま2014出展ブースの様子です

 

ブース内部の様子
茶室事例のパネルと茶室模型の展示

 

"茶ノ湯Style"開発商品
「新・立礼卓」

 

さいたまキャラのヌゥ君も
「新・立礼卓」に興味津々...

 

さいたま市長もブースにご来場頂きました。


市中の山居 マンションに茶室が出現!

マンションの一室に茶室を造る施工がこのほど完成し、
無事お客様にお引渡ししました。

施工をレポートします。

<今回の茶室製作の条件として>
 ・マンション、フローリングの一室を茶室として使用できるように、改良する。
  その時に、フローリング床、壁を傷めず現状復帰できる状態の中で茶室を製作する。
  その構造ですが、柱は自立させその天井四方に梁を通し床組みを行いました。

 ・もう一つの条件として、マンションの場合、どうしても収納に制約がでます。
  しかし茶道具は次第に増えていきます。
  なので、収納を出来る限り増やす工夫を行うこと。

 ・にじり口を設け、バルコニーからの客導線を作る。
  炉は本勝手と向切の両方使用できるようにする

という条件の下、茶室造りを進めていきました。

結果、条件を満足した、茶室を造ることができ、お客様に大変喜んで頂けました。

<課題>
 茶室としての品格をどのようにして保つか...
   ↓
 細かいディテールにこだわり、大工や職人と綿密な打ち合わせをしながら仕事を進めた結果です。

施工に携わった大工さんはじめ職方の皆様ありがとうございました!

 

マンションフローリングスペースに
造作した茶室(リビングより見る) 京間三畳
炉は本勝手と向切 床は蹴込床

 

茶室内部の様子 にじり口を設け、
バルコニーより茶室へ
連子窓は、大きくとり外の明かりを
大胆に茶室取り込む

 

収納を多く取る工夫 その1【床下収納】
リビング側から収納にアクセスできるので、
使い勝手が良い

 

茶室に炉を切る都合で、茶室の床が上がるので、
リビングからのアプローチ部分(茶道口)には、
踏み台を設ける

 

収納を多く取る工夫 その2【床の間裏収納】
蹴込床の壁を開閉式にして、
床の間裏側に収納棚を作る

 

リビングから茶室が見える
普段は、リビング側の引き戸を閉めて、
茶室の存在を消しておく

   

軸(色紙)と床柱に掛けた花入

 

 


神奈川県内の某温泉街茶室のリフォーム

神奈川県内の某温泉街の中にある築60年のお宅です。

今回は、その1階部分の茶室リフォーム

今回のリフォームのテーマは、
古き良き木材と、リフォームによる新しい木材との融合をどのようにマッチングさせていくか...。

水屋は新設となるので、基本的に新しい木材で構成されます。
そして、水屋の板間と茶室との間を障子戸で仕切り、
外からの明かりは障子を通して出来るだけ茶室内に取り込むという工夫をいれます。

茶室内部
基本的に、角材と真壁で構成されています。
そこに新たに梁を入れ、仕切り壁を作り障子を入れる。
天井は古い材のままで、そこに吊釜用の蛭釘を打設。そして、押入れを床の間に改造
古い柱はそのまま、床柱として使用しました。
床板を張り、炉を切って畳を入れます。

なんとも、風情のある新旧が融合した茶室が完成しました!
廊下からの客導線と水屋からの亭主の導線もしっかりと区別され、使い勝手にいい茶室が出来上がりました。

お客様にも喜んで頂け、とても良かったです。
施工に携わった工務店社長様と大工さん、ありがとうございました。

 

築60年のお部屋を茶室にリフォーム

 

茶室と水屋を障子で仕切る
茶室に自然光を取り入れる工夫

 

茶室内部から見た様子 既存の窓と障子の関係

 

廊下の様子 少し暗くていい感じ!

   

玄関から水屋入り口の様子

 

 


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